第39回読売書法展 “読売奨励賞” 受賞作品
国立新美術館で開催された第39回読売書法展へ行ってきました。
写真の読売展で “読売奨励賞” を受賞した作品は巻物で1部分だけ飾られていました。
全体では4m近くあります。唐代の白楽天(白居易)の詩を6首繋げて書いてます。五言絶句を6首で120文字書いています。
漢詩は唐詩選、明時選、清詩選という漢詩がズラっと紹介されている本を使って探しています。
唐時代の有名な李白、杜甫、白楽天はもちろん他にも多くの人が作った漢詩があります。
読売展のように大きなサイズでたくさんの文字を書く場合、漢詩を選ぶ基準は詩の内容(意味)も考慮することもありますが、だいたいはどんな漢字が使われているか見ます。
- 画数の多い字と少ない字が程よく混じっている
- 同じ字ばかり何度も何度も使われていない。
- 漢字の形や、構成(へんとつくりの組み合わせ)がバラエティにとんでいる
このような所を見ながら探します。
ですが、そこまで時間をかけることはありません。
なぜなら、並んだ時にかっこよく配置される方が大切だからです。並んだ時のバランスを1番大切にしています。
行書にするか草書にするか、どの字を大きくするか、どの線を長くするかなど何度も試してみて作品にしていきます。
一方、掛け軸に1行〜2行の場合や、額に1文字〜3文字といった場合は言葉の意味、季節感を優先して言葉を選びます。